「許されるウソ」をうまく使うのも生活の知恵

 

わが息子よ、君はどう生きるか (単行本) わが息子よ、君はどう生きるか (単行本)
(2013/06/20)
フィリップ チェスターフィールド

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 知らないふりをするということは、往々にして大変役に立つ知恵
ではないだろうか。

 たとえば、誰かが何かを話そうとする時、知らないふりをする。
その人が言う。「こんな話ご存知ですか」。君は答える。
「いいえ」。たとえ知っていても、そのまましゃべり続けてもらう。

 話すことに喜びを感じる人もいるだろう。知的な発見を話し、
それによって自尊心を満足させたい人もいるだろう。こんな大切
な話を教えてもらえるほど、自分は信頼されているのだということ
を示したくて、しゃべる人もいるだろう(これが大部分か)。

 君が「こんな話ご存知ですか」と尋ねられた時、「ええ」と
答えてしまったら、そういう人を失望させてしまうだろう。そして、
結局は、「気のきかない人」とけむたがられてしまう。

 個人的な中傷や醜聞は、耳にたこができるくらい聞かされて
いても、心許せる親友以外には、聞いたことがないというふり
をした方がいい。こういう場合、たいていは、聞く側も話す側
と同じくらい悪いと思われてしまう。だからそういう話題が
持ち上がったら、ほんとうはどんなに信じていたとしても、
常に懐疑的なふうを装い、情状酌量の意見についた方がいい。

 このように、いつも何も知らないということにしておけば、
ひょんなことから、ほんとうに知らなかった情報が完璧な
形で入ってくることもあるだろう。そして実は、これが、情報
を集める最高の方法でもあるのだ。